なぜノウハウが無い人のほうが成功するのか【ノウハウの罠】
- ナカジマ

- 7月17日
- 読了時間: 6分
更新日:10月30日
仕事で何か新しいことに取り組む場面を想像してみてください。
その際に、まず何から始めますか?
計画作りですが。それとも、ググってノウハウを探しますか?
新たに何かに取り組む際には、誰しも非効率なことをしたくはないと考えます。無駄な努力はできるだけ避けたいと思うのが人情ですから。
苦労して進めてきたことを、途中で「一から全てやり直し」と言われるとさすがに心が折れてしまう人もいるでしょう。
なので、何かをはじめる際には、まずは情報を調べてノウハウを手に入れようとする人が多いと思います。
25年前とは状況が違い、今は比較的容易に情報を手に入れることができますので。

最初の罠
実は、ここに最初の罠があります。
これは便利さが産んだワナと言えるものです。
これだけ多くの分野のノウハウ情報が、容易にネット上や生成AIから入手でき、私達が望む以上に便利な社会になったことで、私達は「知らない」ことによる小さな失敗やピンチの連続を避ける傾向にあるのです。無意識に。
それが正しい、それが自分にとって良い状態だと思っているのです。
言い換えれば、世の中が過剰に便利になったことで、地道な苦労を避けようとするマインドセットを改善できていない状態にあるのです。
というのは、事業を成功しようとする以上、実際には毎日のように外的要因による想定外のことが起こります。トラブルとピンチの連続です。
それらは自分ではコントロールできない外的要因によるものなので、それを避けようと試みることはナンセンスです。まずは受け入れなければならないのです。
「よくわからないから辞めとこう」「失敗確率が読めないからやめよう」という思考プロセスになりがちです。
これは失敗やピンチを避けることが意思決定に影響を与えてしまっている状態です。
一方で、事業を成功させるとは、小さな失敗やピンチはおろか、何が起きようとも、なんとしてでも実現させてやる!という強い志を持つことが大前提です。
そのうえで「ここを乗り切るにはどうしたら」を一つ一つ考え即決断して即実行を繰り返すことなのです。
だから始める前に身につけておくべきことは、いかなる困難も受け入れる覚悟を持つことなのです。
必然のこととして、その覚悟が身につかないのであれば、いかなる事業も成功することはないのです。
2つ目の罠
2つ目の罠は、他責思考になりやすくなることです。
言い換えれば、自分に「言い訳の種」を与えることになるのです。
ノウハウを学習して習得し、自信満々にビジネスの実践の場で活かしてみる。それなのに、やってもやっても期待したような結果が出ないとします。
すると、ノウハウの習得から入った人はこう考えるようになりがちです。「このノウハウは間違っている」「時代に合っていない」「このビジネスは特殊なのでこのノウハウは合っていない」と。
そして、別のノウハウ探しに励むようになるのです。そして次のノウハウを身につけた後、同じことが起きると「このノウハウも大したことなかった。〇〇には合わない。」と。
そしてこのプロセスを5年間繰り返した結果、その人は5年もの時間を費やしたにも関わらず何も得られなかったという結果になります。投資効果としてはゼロという結果に終わるのです。
個人の成長という点でも、5年間かけたのに、未来へ活かせる経験やスキルが何も身につかなかったという結果に終わることになるのです。
これが「言い訳」を言う人の特徴です。
他責思考の人が成長しないメカニズムがこれです。
結果が出ないのはノウハウの良し悪しが直接の理由ではありません。
それよりも、ノウハウをやりきる行動力の無さや、シンプルに行動量がそもそも足りないことが主な要因となる場合がほとんどです。
それ以外でも、スピードの遅さや、やってもいないことをやったとごまかす体制、チーム内の協力体制の不足、継続力の不足、リーダーの責任感の不足、求心力や一貫性の不足等が考えられます。
結果はそのほとんどが、自分自身の基礎力に依ります。自分の意識次第でいくらでも変えられるものです。
なので結果がでない場合は、自分の努力不足にあるのです。それにも関わらず、ノウハウや市場、そもそもビジネスモデルそのものが悪かったから等という思考に陥りがちなのです。
失敗の原因が自分自身にあるにも関わらず、それを謙虚に受け入れられないと、改善は期待できないのです。
3つ目の罠
3つ目の罠はコモディティ化です。
言い換えれば、分かりやすいノウハウほど、自分が属する市場の中で差別化を図ることは難しいのです。
わかりやすく手を付けやすいノウハウほど多くの人に共有され、世間に出回っているものです。
言い換えれば、多くの先人たちが先に取り組んできた歴史があるのです。
そのような市場では、良いノウハウを手に入れても、すでに競合が多数いる状態の中でのビジネスの船出となるのです。
これは資金があるか、あるいはノウハウ以外に特別なストーリーがあるか、すでに高い知名度があるか等、別の突出した価値がないと生き残るのは至難の業です。

罠にはまらない人は「順番」を重視する
一方で、何も情報もノウハウもない中で、志だけを高く持ち、それをテコに圧倒的な行動量を繰り返す人はどうなるでしょうか。
こういう人は何をやっても成功する確率が高い人です。
なぜなら、どんな事業であっても「四の五の言わずに圧倒的に行動すること」は、事業の成功に不可欠だからです。それにも関わらず、これを実践し継続することができる人は極少数です。
圧倒的に行動していると、自ずと必要な準備が整ってきます。そのプロセスの中で特定の領域にはノウハウが必要であることにも気づきます。
順番としては、この時点でノウハウを導入すると、瞬く間に状況が改善することになります。
つまり、事業を成功させようとすると、圧倒的な行動を継続することが最優先なのです。はじめに手を付けるのはここなのです。泥臭くとも行動量にこだわることなのです。
そして、ノウハウを集めることは常にその後なのです。
まず最初に「圧倒的な行動量」 → 「形や情報、ノウハウ」は常に後
失敗やピンチ、トラブルも含め、地味で泥臭い作業だとしても、まずは行動が先です。行動量で負けないことです。そして、ノウハウは常にその後です。
実は、何よりも重要なのが、この順番を守ることなのです。
周囲を見渡してみてください。
現在まで脈々と受け継がれて残っているビジネスの中に、一つとしてこのプロセスを経ずに定着したものはあるでしょうか。
事業を成功させるのであれば、この順番を忘れずに取り組んでみてください。
それだけで、成功確率は数十倍に跳ね上がることになりますので。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。



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