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客の立場になって実感!営業の最重要ポイントとは?

百聞は一見にしかず。やはり一次情報は尊いものです。


私は仕事柄、営業指導をすることがあるので日々勉強は欠かせません。そんな中、成功事例や失敗事例を読むよりも、自分が客の立場になると痛感することがあります。


今、我が家では、冬が来る前に玄関とサッシを断熱リフォームしようと、業者さんに見積を依頼しました。その際、いざ自分が客の立場になってみると、「こういうことか!」と目からウロコが落ちる思いだったので、ここでご紹介いたします。


見積作成に際し、家を見に来てくれた時のことです。一生懸命対応してくれましたが、結論から言うと、この工務店に仕事をお願いしたいという気にはなりませんでした。技術力や知識、会話の問題ではありません。


客の立場からすると、それら以前に無意識のうちに彼らの態度や姿勢を見ていたのです。

高齢化が進む島根県にもかかわらず、住宅リフォーム市場が伸びない理由が今回わかった気がします。


リフォームは技術的な難しさがあると言われて久しいですが、高齢化が進んでいるのに市場規模が伸びないのは、技術力や商品力ではなく接客にあったのだということがはっきりしました。


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リフォーム業者の対応に見えた課題の根源

まず一社目。約束の日時に車3台でやってきて、我が家の真ん前に駐めました。我が家の前は車2台がすれ違うのがやっとの道幅です。お隣さんもいれば、運送業者も毎日のようにやってきます。


家に入る際には靴をそろえず、玄関は開きっぱなし。採寸の際に動かしたソファーは元の位置に戻さず帰られました。結局この業者は、後日「技術的に難しいので」と、先方よりお断りの電話をいただきました。


次に、別の工務店。社長と社員さんが来たのですが、来る前に電話で車を駐めるスペースと台数を確認してくれました。対応もよく、さすが社長だと信頼できると思ったのですが、帰った後リビングを見ると、ソファーが移動されたまま戻されていませんでした。


我が家は玄関の構造が複雑らしいのです。もう一度職人とゆっくり見に来たいとのことでしたので、平日の昼間なら構わない旨を伝えました。


その数日後、日曜の朝8時に突然呼び鈴が鳴りました。こんな山へ日曜の朝に来客があるとすると、警察くらいしか考えられないので、妻と子供も驚いていました。


そこには工務店の社員が職人といっしょに立っていました。服装はジャージで、派手なオートバイで来ていました。さすがに私から、対応があまりに非常識である旨伝えて帰ってもらいました。なぜ事前連絡もせずに日曜の朝に突然来るのかと。数時間後に社長から直接電話で謝罪がありました。


売り手と買い手の間に潜む深い溝

島根県の建築業界は年々厳しさを増し、人口流出や資材高騰から建築戸数が右肩下がりです。業界の社長さん達が集まると、売上が伸びないという話題になります。対策については、耐震や断熱等の技術、集客マーケティングの話になりがちです。二言目には「市場が厳しい」と。


しかし、今回の経験ではっきりしたことがあります。住宅リフォーム市場が思ったほど伸びない理由は、技術力でも集客力でもないということです。


売上が伸びない課題の根本は市場の厳しさや技術の遅れではありません。自分たちの経営そのものにあったのです。

自分たちの接客姿勢、その前に社員としての基礎力育成をしてこなかったため、社会人として最も大切な挨拶、礼儀が十分にできないのです。


客側としては、愛着のある家を修理してもらう相手は「この人ではない」と信じたくなります。


リフォームの客層は50代以上がメインで、長く住んだ自宅に対する愛着があります。社会的地位もそこそこ高く、マネジメント経験がある人が多いので、比較的「人を見る目」が養われています。


そういう経験豊富な人からすれば、基礎的なことがいい加減な人に家の工事をまかせたらどうなるかを考えずにはいられません。


一方、受注できなかった工務店の営業さんは、上司に以下のように報告すると推測します。

  • 予算が合わなかった。

  • 技術が合わなかった。

  • お客様と性格が合わなかった。


仕事を断る業者に対して、お客様側が課題を丁寧に伝えてくれることはまず期待できません。


これは売り手の努力と買い手の求めているものとの見事なミスマッチです。しかも、売り手が自らの努力で改善に向かうとも思えない状況です。自分たちではなく、お客様の予算や市場が悪いと信じているからです。


営業に求められるのは「人間力」

営業の仕事は、単に商品やサービスを売ることだけではありません。それは、まず「人として信頼されること」から始まります。


お客様は、商品や技術力、価格だけでなく、それを届けてくれる「人」そのものを見ているのです。お客様が持つ感性は非常に鋭く、マナーや気遣いといった一見些細に見える行動から、その人のプロ意識や会社全体の姿勢を読み取ります。


  • 時間厳守はもちろん、もし遅れそうなら事前に連絡を入れる。

  • 訪問先では、周囲に配慮して車を駐める。

  • 家の中に入る際には靴を揃え、玄関の戸を閉める。

  • 家具などを動かしたら必ず元に戻す。

  • アポイントのない突然の訪問は絶対にしない。


これらは営業以前に、社会人として、いや人として当たり前のマナーです。しかし、多くの営業現場ではこの基礎が抜けているがゆえに、技術や価格以前の段階で信頼を失い、機会損失を招いています。


これは「営業力」の問題ではなく「人間力」の問題です。どんなに優秀なセールストークや高度な知識を持っていても、この人間力がなければお客様の心を動かすことはできません。


特に住宅リフォームのように、お客様の生活に深く関わる仕事では、安心感や信頼が何よりも重要です。自分の愛着ある家を任せる相手に「この人になら任せられる」と感じてもらえるかどうか。それが、お客様の心をつかみ、契約へと結びつけるための最重要ポイントなのです。


営業の現場で「なぜ売上が伸びないのだろう?」と悩む前に、ぜひ一度、自分たちの「人としてのあり方」を見つめ直してみてください。その答えは、技術や市場の厳しさではなく、もっと身近なところにあるのかもしれません。


あなたの会社では、社員の「人間力」を育てることを重視していますか?


最後までお読み頂きありがとうございます。

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