本屋さんのビジネス書コーナーに行くと、昔から流行りのジャンルとして「良い社長とは」とか「会社を潰す社長とは」とか有名な経営者から学ぶ本がたくさん並んでいます。
出版社も商売である以上、売れる本しか出版しませんのでこの手の本は時代が変わっても売れ筋なのでしょう。
いつの時代も、社長さんは注目の的。良くも悪くも多くの人が社長さんについて夢を語り合いたいとの欲求が読み取れます。
社長さんは、常に不安と隣り合わせ。常に孤独。常に多くの視線にさらされる立場にいます。本来人間という生き物にはそんな機能は備わっていないのではないかと思えるほど過酷で孤独な毎日を送っていることでしょう。
また、多くの人が社長ではなく雇われる側の人であることからも、社長をやったことはないのですが、それにもかかわらず無自覚に社長を評価する側に立っています。
影で「ウチの社長はさぁ〜」と言って同僚とお酒を飲んでいる時は実に楽しい時間です。僕も昔のことを思い出します。勝手に色々議論をし話はつきないものでした。
良い社長さんとは
では、良い社長さんとはどんな人物を指すのでしょうか?
リーダーシップがある人ですか?
ではリーダーシップとは何でしょうか?
決断力でしょうか?
一概に「良い社長さん」と言っても、場面や置かれている状況・段階によって変わってくるというのが僕の見解です。
最前線にいるのか?それとも事務所で仕事をしているのか?
鼻息荒いチームを率いているのか?それとも静かで知的なチームなのか?
自分達より強い相手と対峙しているのか?それとも勝ち戦なのか?
メンバーの期待通りの指示を出す時と、意外過ぎる判断を下す時と。
ピンチなのか?チャンスなのか?
チームが若いのか?メンバーが全員年上なのか?
工場経営なのか?IT企業なのか?販売チェーンなのか?
短期で成果を出す必要があるのか?じっくり長期戦略に立てる状況なのか?
統一したモデルはない
以上のように、万人に当てはまる「こんな人が良い社長」という一つのモデルは無いのだと思います。
なぜなら、社長の評価をする人は、いつも決まって利害関係者だからです。
従業員だったりお取引先だったりと。
つまり、自己の利害というフィルターを通してそれぞれの立場から社長さんの良し悪しを語ることになります。良い社長なのか?ではなく「自分にとって」良い社長なのか?を語っているだけなのだと。
良い社長なら、もっと楽しくできたのに。もっと良い社長なら、自分は活躍できたのにと。
確かに、リーダーの資質と結果には一定の相関は見られるのでしょうが、結果はリーダーだけの責任とも言えません。
自分がどう捉えるか
以上のように、客観的な視点で議論しようとしても、結局は自分の置かれているポジションから見た社長像をイメージして良い社長かどうかを語っているだけなのだと思います。
ある社長さんのことを散々批判していた人達が数年後に手のひらを返す場面をこれまで何度と無く目にしてきました。
これは社長さんが変わったのではなく、評価する人達の利害が変わっただけなのでしょう。
社長さんも一人の人です。一緒に働くと決めたのならごちゃごちゃ言わずに良いところだけを見て、楽しくお付き合いしたほうがいいに決まっています。
人である以上、完璧なはずもありません。好意を持てば好意を持ってもらえるし、陰口が過ぎると嫌われる。
と、わかっていても、簡単には割り切れないのが人情なのでしょうが。
いつの時代も人間関係はストレスが多いです。
ダメな社長とは
最後に、良い社長のモデルは無いとしても、悪い社長の条件ならありそうです。
他責
何がしたいのかよくわからない
ピンチに弱い
これら3つが揃っている人は、社長としてやっていくのは難しい気がします。
最後までお読み頂き誠にありがとうございました。
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