私が今いる職場でもそうなのですが、以前に比べてデスクワークが増えたと感じている人は多いのではないでしょうか?
以前はもう少し雑談する時間があった、とか、一日のスケジュールがキツキツだとか。時代は便利で快適な方向へ進んでいるはずなのに何かおかしいですよね。
これは一体どういう現象を表しているのでしょうか?
良さそうなことはたくさんある
デジタル化やSNS戦略、データ分析、EC、SP等。売上アップに向けた施策としては、やらないよりはしっかりやったほうが良いだろうことは確かにたくさんあります。
とはいってもリソースは有限です。全てに手を出すことはできません。人も予算も有限です。なにより時間が有限です。
有限だと分かっていても「ちょっと良さそう!」という欲求を抑えられず、あれもこれも手を出してみたいと思うのは分かります。良さそうなことは手を出してみたいものです。
ただその結果、現場が疲弊し、こなすだけで精一杯。社員は考えずに仕事をするようになり、ただ作業だけをするようになります。これでは生産性があがるわけがありません。本来なら知恵も工夫もできる人達だったはずなのにです。
最重要課題を見つける
このような状態に陥らないために大切なのは、中長期の方向性を明確にすることです。
売上アップなのか、利益確保なのか。人員増加なのかダウンサイジングなのか等です。企業にとっての大きな方向性です。
中長期戦略が明確になると、そこから逆算して今月やることが明確になります。そして、今やるべき業務の優先順位をつけることが比較的容易になるのです。
その際とても大切なのは、たくさんある課題の中で、一体何を最も重要な課題とするかを決断することです。他の課題を解決するためにも「これだけは最初に解決しなければならない」ことを見つけ出すことです。
やらないことを決める
方向性や戦略を決断するとは、言い換えれば「やらないこと」を決めることです。どうしても優先してやらねばならないことがある以上、トレードオフとしてやらないことを決めて社内で共有することができるのです。
やらないと決めたことは「次のフェーズで手を付けよう」という判断を共有することです。確かにやったほうがいいかもしれないが、今ではないと。
毎日情報のシャワーを浴び続けていると、良さそうな話は色々出てきます。他社が上手く行っているように見えると、それをやっていないというだけで不安になるものです。
だからと言って、あらゆることに手を出していては、何一つ成果が出ないことになります。目的も見失います。何より大切な社員を失うことになりかねません。
正解のない時代と言われています。何をやったらいいのかはきっと一生分からないと思います。一方、過去を振り返ることを繰り返していれば「やらないこと」は決められるはずです。
社員は仕事をやることで報酬を得ているので、社員が「やらない」という判断はできないものです。だから「やらなくていいよ」と伝えることができるのは経営者だけです。
何か成果を出すためには「やらないこと」を決める。
一見すると逆説的なこの方針こそ、多くの企業にとって大切な決断だと思っています。
そのお手伝いをさせて頂けるよう、刃を研いでいたいと思うのです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございます。
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