様々な分野でデジタル化が進み、その結果として実に様々なデータを簡単に手にすることができるようになりました。ありがたいことですね。
売れ筋の商品分析から今後の商品仕入れ計画を作ったり、想定顧客層へABテストすることで従来の常識を改善したり等はデータで解決できる分野です。
では、新事業を始めようとする場面を想像してみて下さい。
新事業のプランを考える際にデータを集めることでその方針を導き出すことができると思いますか。
何が当たるか?どれくらい利益ができるか?いつ頃利益が出るか?
言うまでもありませんが、データは全て過去の情報の集積です。
つまり、以前の取り組みを振り返り検証する際に有効なのです。
従来の社内の常識等はデータによって覆ることがよくあります。方針の軌道修正をする際には検証データは背中を押してくれます。
検証し修正する際には有効なのです。
このように、データと行動とどちらが先かというと、行動が先ということになります。行動してからデータをとり、それを振り返って更にPDCAをまわし改善を重ねるのです。
つまり、行動することを経ずに会議室でデータ(論理的に処理できる)を分析することで、未来をどう行動したら良いかの判断を導き出すことはできないのです。
明確になるのは、せいぜいどの方向が間違っているか?を導き出すことまでなのです。論理的に判断できるのは、どう考えてもここまでです。その先、最終的にどの方向が良いのかは責任者が決断するしかないのです。
やってはいけないことが明確になってもなお、やるべき方向の幅は結構幅広く残っているのです。
データをもとに、それをどのように捉えて、より競争優位を導き出すような判断を下すか、が問われているのです。
データから正解を読み取るのではなく、データを見て自分がそれをどう捉えるか、その中にどんなチャンスを見出すかが大切なのです。
新たに踏み出す際の方向までは、データ(論理)では導き出せないと理解しておくと良いと思います。
様々なデータを見て、それをどう捉えるか?データからどういう未来を創造するのか?
何が脅威で、何がチャンスなのか?
そんな見えないものを見る能力を日々研ぎ続けることが経営の醍醐味なのかもしれないですね。
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