毎年この時期になると、新入社員のことが話題になります。どこの会社が人気だったのか?今時の若者達の好む職場はどういう職場なのか?等々。
そして、今後の新卒採用の改善策として、以下のような言葉をよく耳にします。
若手社員が働きやすい環境を整える。
新入社員が思う存分若い力を発揮できるように。
確かに、若手社員の育成はいつの時代も難しく、おまけに離職率も高止まり。採用担当者はトップから社員を上手く育てて辞めさせないようにとの指示の下、あれこれ対策を講じていることと思います。
では、"新入社員が働きやすい職場"とは一体どんな職場なのでしょうか?
結論から言うと、僕はこの「新入社員が~」と言われることに違和感を持っています。
新入社員が働きやすい職場とは?
新入社員のために特別に何かを整える必要はないというのが僕の見解です。
なぜかというと、若手社員が働きやすい環境はなにか特別な環境だとは思わないからです。
若手社員が働きやすいと感じる職場には何か特殊な仕組みや文化があるのでしょうか?
考えたことはありますか? 若手社員が働きやすい職場はその他ベテラン社員が働きにくい職場なのか?
そんなことはないですよね。
例えば、若手社員が働きやすい環境としてよく上げられる要因に以下の10点があります。
1.上司の顔色を窺わずにハッキリ意見を言える
2.最新の情報を常に取り入れる文化がある。
3.最新のテクノロジーを組織の効率や生産性があがるように必要に応じて利用する。
4.チームの方針が明確でいちいち上司に確認しなくとも迷わずに1人で判断できる。
5.必要なマニュアルがそろっていて、特定の誰かしかわからないブラックボックス化していない。
6.役職に関わらず誰もが互いに明るい挨拶をする習慣がある。
7.上司部下の垣根が低く、分からないことがあった時には素直に教えを求められる雰囲気がある。
8.業務が手に負えず困っている社員がいたら仲間に助けを求められる仕組みがある。
9.年齢、性別、国籍等に関係なく互いの文化を尊重できる。
10.方針は一つだが、それをどんな方法で実現するのかはそれぞれ多様なやり方を認めてくれる。
これらは、若手社員にとってのみ「働きやすい」と感じることでしょうか?
ベテラン社員達はこれらのような環境下で働くことに不愉快さを覚えるでしょうか?
そんなことはないですよね。
だから、若手社員だけが働きやすい職場を目指すのではなく「自分達が」働きやすい環境を整えることを目指せばいいのです。 自分達にとっての心地よさを追求し、日頃からPDCAをまわして改善を繰り返していれば、あらためて特別な対策を打つ必要はないはずなのです。
「若手社員が働きやすい職場=在籍している社員全ての人が働きやすい職場」だと思うのです。
自分達が働きやすい職場づくりから
まだ会社で働くことに慣れていない若手社員のために!ではなく、若手社員が入社してこようとこまいと、日頃から誰もが働きやすい環境を整えておくことが大切なのです。
それは生産性が向上し業績がアップする上、働く社員の精神衛生面も改善され職場の雰囲気がよくなるからです。
それにより社員ひとりひとりのパフォーマンスが向上し、ひいては更なる業績アップに繋がるという好循環を生み出すことになるのです。
ベテランだから不愉快なことを言われても我慢しなければならない。
ベテランは非効率な業務体制にも口出しせず黙って従わなければならない。
そんなことはありませんね。
日々新たな課題が見つかったらそれを放置せず一つずつ解決していく。これは実に自然なことです。
こんな自然なことすら機能しない職場だとすると、新しく入社してくる人は「なんで?」と疑問に思うことでしょう。
そんな小さな「なぜ?」がやがてストレスの元となります。
小さな課題ひとつひとつを日頃から放置せずに解決し続ける自然な文化があれば、新しい世代が入社してくるからと特別な対策を講じる必要はないはずです。
「新入社員のため」ではなく、そこで働く自分達のために。
自分たちが自然に心地よく生産性を追求して働ける職場を日頃から目指していれば、課題は自然にひとつずつ解決し、更なる好循環を生み出すのだと思います。
みなさんの職場は、そんな自然で当たり前のことが当たり前にできる職場ですか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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