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雄弁な上司の言葉が伝わらない理由

執筆者の写真: ナカジマナカジマ

更新日:2024年6月17日


社会にいると様々な議論の場に身を置くことになります。


  1. 社内会議で

  2. お客様との交渉の際

  3. 取引業者との折衝の際

  4. メンバーとの1対1での面談で


ちょっと振り返ってみてください。

議論の場に身をおいていると、無意識に良い意見を言おうとしてないでしょうか。 自分の知識や経験からくる信念にも近い意見にはつい力も入ります。誤解されたくないので、くどくど詳細まで言葉を尽くしたりと。


熱が入ってくると陥りがちなのが「相手に理解してもらいたい!」「誤解されないように自分が価値があると信じていることを共有したい!」等です。


さらに熱が入ってくると「相手の意見の間違いに気づかせたい」「自分の意見が正しいと気づいてもらいたい」「なんなら一から説得したい」等です。


経験があると思うのですが、後で「言い過ぎたなぁ」と後悔するのは大体このパターンかなと。





そしてふと思い返すのです。そもそも熱く語った目的は何だったっけ?と。


相手を説得するのが目的でしたか?

自分の意見が正しいことを相手に受け入れてもらうことでしたか?


きっと、どちらでもないはずです。



目的は相手の行動を変えること

冒頭の4つのケースであれば、その目的は相手に行動を起こしてもらうことです。

言い換えれば、相手の行動を変えることです。


そこで、あらためて問います。

相手を説得することで相手に行動を起こしてもらえるだろうかと。

説得することで相手の行動を変えられるだろうかと。


もうおわかりだと思います。


その答えはNoです。


説得、論破、教え込む等の行為では、テスト等で正解を言い当てることには繋がりますが、行動を変えることには繋がらないものです。


それによって相手がとる行動は「やっているふり」です。気乗りしない中でのイヤイヤでの行動です。

行動してくれたとしてもこんなレベルで終わってしまいます。


そんな中、同じ内容の話を言っているのに、別の人が言うとその人の行動が一瞬で変わることがあります。

ご担当者は「私もこれまで何度も言って聞かせてきたのですが。おかしいですね」と。


一体、そこにはどんな違いがあるのでしょうか。



相手に聞く姿勢をとってもらうために

その答えは「信頼」です。

言葉を受け取る側と話をする側の間に一定の信頼関係があるかどうかです。


信頼する人が発した言葉なのかによるのです。

「あの人が言うんだから!」と思ってもらえるかどうかなのです。


「またうるさいことを言っているな」と思われてしまうと、何も伝わりません。

ご自身が若い頃、言われる側だった時のことを思い出してみてください。


つまり、最優先でやらねばならないのは説得して言い負かすことではなく、まずは信頼を得ることなのです。

言われてみればそうですよね。


それなのに、この順番を誤解している人が実に多い気がしています。


最初の言葉を発する目的は「良いことを言う」ではなく「信頼を得る」ことを第一目標に掲げるとちょうど良いはずです。

これは、言葉より行動で示す人であれば、その目的とも言い換えられます。


だから、口論して相手をぐうの音も出ないほど論破する行為は、「相手の行動を変える」目的においては、むしろ逆効果になる場合が多いのです。


それよりも、どうやったら信頼してもらえるのか。距離を詰めることができるのか。常にこの問いから考える習慣をつければ状況は改善させることができます。



人は目上の人に認めてほしい

まず最初は、相手を認めて、ねぎらい、称賛し、得意な分野で実績をあげてもらうのです。

弱みの改善に着手するのはその後です。


まずは「この人の話を聞きたい」と思ってもらえることに徹するのが何より先です。


成果を急ぐせっかちなリーダーはこれが苦手なようです。

直接的な指示を出し、無理矢理にでもやらせることにエネルギーを使ってしまうのです。


言うまでもないのですが、それをすればするほど、人間関係が悪化する一途だと思います。

確かに足元の成果は出るのですが。


なまじ成果が出てしまうのでこれで良いと上層部は思ってしまうのです。

これが罠です。


そういうせっかちなリーダーは、この順番を守ることを心がけてみると相手に指示が伝わりやすくなります。

人との信頼関係を構築するには、一段飛ばしや〇〇ハックは厳禁だと肝に銘じたいですね。


みなさんは相手の良いところに目を向け、普段から褒めることを心がけていますか?

相手が認めて欲しいトコロを察する努力をしていますか?



最後までお読みいただきありがとうございました。


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