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創業時は人脈も資金も無いほうがビジネスはむしろ上手くいく


いきなりウソみたいなタイトルからブログが始まりましたが、これは僕の実体験からくる一つの確信です。


僕は小学生から社会人まで15年以上本格的に野球をやっていました。小中学校時代は補欠でしたが高校時代はキャプテンで捕手、大学時代は主戦投手として入れ替え戦を突破し一部リーグへ昇格しました。卒業後も25歳まで海外でプレーしていました。


そんな僕も年とともに筋肉は落ち、今では最も身体が大きかった頃より10kgくらい細くなりました。もうあの頃のようには筋肉がついてくれません。





それでも、地元の大学のOB戦には出場しています。現役の大学生の球(硬球)を打つチャンスはオジサンにとっては貴重な体験なのです。


しかも、OB戦での50歳までの通算打率は5割以上。ウソみたいに打ちまくっています。

プレーする度に現役選手達から驚きの歓声があがるのが快感になっています。


きっと後輩達は僕が普段から草野球をやっていると思っているのでしょうが実は全く野球はしていません。バッティングセンターへも年に1度行くかどうかです。


不思議ですよね。繰り返しますが筋肉は落ちまくって細くなった身体に昔のユニホームは似合いません。それなのにプレーの質は下がっていません。

これは一体どういう現象なのかと分析してみました。


野球は全くしていませんが、実は日々こなしているルーティンがあります。

ボールを打ったり投げたりはしていませんが、1kg以上あるトレーニングバットはまめに振っているのです。と言っても5〜10回くらいですが。


それでも30代の頃から続けているので、年々筋力がなくなってきても自分の身体に合わせて筋力を使わずに重たいバットを振ろうと技術が勝手に適応してきます。腕力や脚力が強かった頃には力に任せて振ることができたのですが、今はそうはいきません。とにかく筋力が昔と比較にならないほど退化してしまったので昔のような振り方はできません。


おまけに、持病を膝と腰と手首に抱えているため年々無理もできなくなりました。


そんな身体で重たいバットを「ビュッ」と音を立てて振ろうとすれば、腕や足や腰の力を頼らずに身体全体をムチのように使い、身体全体の力を最も効率よく余すことなくバットに伝えるように振らないと、あの心地よい風を切る音は鳴りません。


つまり、筋力が退化する過程で僕のスイング(型)は無意識に少しずつ進化しているのです。

スピードとパワーを除き、バットスイングの型だけをとってみると、きっと現役時代よりも理にかなったスイング(型)で振っていると確信しています。


最小限の力でバットを振り、最小限の力でボールを遠くへ飛ばす最も効率的で、最も最適化された技術を身体が長い年月を経た進化によって身につけたということなのです。



ビジネスでも同じ

なんだか前置きが長くなりましたが、ビジネスもこれと同じことが言えると思うのです。


ビジネスが成功する要因は様々です。

最も重要な資源として「ヒト、モノ、カネ」とよく耳にしますね。


もしビジネスを立ち上げようとする時に、はじめから人と金がある程度揃っていたとしたらどうでしょうか。少なくとも、他の起業家に比べて資金面と人材面では十分な状態で進めることができるのでスタート時の苦労は少なくて済むはずです。

創業者はその部分で楽ができるわけです。自分のやりたいことに集中できるのです。


ひょっとすると他の起業家よりも始めは順調にスタートしたように周りからは評価されるかもしれません。




一方で、創業時の序盤で財務と人事で苦労することなくそれらの領域をなんとなく素通りしてしまった経営者は強い課題意識が求められるでしょう。 本来であれば創業プロセスの中で無意識に学べたはずの経営の本質的な一連のプロセスを踏んでいないため、それらの重要性を実体験としては身体で学べていません。


理屈でしかわかっていないため、いざという時に「財務、人事」という経営上最も重要な領域を営業や商品開発と同様に重視できない場面もあるかもしれません。


つまり、本来ビジネスで重視すべき「ヒト、モノ、カネ」のうち、ヒトとカネは始めからある程度そろっていたので、無意識にそれらを頼った剛腕な経営でもビジネスがまわっていたのです。


その状態で一定の実績が出てしまうと、創業者にとってはその一連のプロセスがやがてある種の成功体験となり、ひとつの経営の型となり定着します。


本来「ヒト、モノ、カネ」へバランスよく投資を分散して経営してきていれば、もっと長期で安定的に事業を発展させることができたはずのところを、偏った分野に無意識に頼った経営の型(成功体験)が邪魔をして創業当初に期待したほど発展できなかったりします。


型は身体に一度染み付いてしまうと自分ではなかなか癖を治すことはできません。

よほど強い覚悟と決心がなければ、すべてをご破産にして一から「型」を作り直そうとはしないでしょう。


他人のアドバイスにも耳を傾けようとしないのも、小さな成功体験が足かせになっているからだと思っています。


何もないところから起業すると苦労はするが

一方で、はじめから人も資金も何もないところからスタートした起業家は、当初から人と金には苦労しっぱなしなので、その大変さが身にしみています。


それらの領域では同じような苦労をしたくないとの無意識の戒めが働くため、長い模索の時間を経ることで、人事と財務について独自のノウハウが身についていき、無意識に他では容易には真似できない独自のマネジメントの「型」が備わります。


「モノ」は時代やテクノロジーと共に機敏に変化していくものであっても、人と金を把握する能力は日々の失敗を通じて蓄積されていくものなので、ある日突然大きく変わるものではないでしょう。


言うなれば試行錯誤を繰り返す過程で考え方の基礎ができてしまえば、後は雪だるま式に効率化と最適化が好循環の中で強化されていくものだと思うのです。


不況になったり、テクノロジーが進化したりは今後も絶え間なく続いていく中で、しなやかに荒波を乗り越えて発展し続ける経営を目指すのであれば、はじめから備わっている筋力は長い目で見るとむしろ無いほうがいいと思うのです。


筋力がなくてもバットを振り続け、自分の身体能力に合わせて最も効率よくボールを打ち返し続ける型とはどんなスイングなのか?

それとも筋力を使ってパワーとスピードでごまかさないとボールを飛ばすことができないのか?


今、自分がボールを打ち返しているのは理にかなった型なのか?それとも特定の筋力パワーに頼った打ち方なのか?


この辺を自問自答してみると、意思決定の精度が上がると思います。


誰しも茨の道はつらいものですが、筋力(もとからある人脈と潤沢な資金)は経営の最適化、効率化を目指す上では、創業時にはむしろないほうがいい。

というのが、年を取り、細い身体で夜な夜なトレーニングバットを振っていてふと思いついた本質的な答えなのです。


50代のオジサンが寒い冬の山で白い息を吐きながらトレーニングバットを振る姿をイメージすると悲しくなる、とは言わないでくださいね(笑)


最後までお読みいただきありがとうございます。


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