前回のブログで「コレをやれば短期間で一気に多くの課題が改善する」こととして「最初のドミノ」を明確にすることと書きました。
前半はその概念について説明しました。
それを示す一つの例として、「社内から新しいアイデアが出てこない」という課題があった場合を例にとり、ここでこのブログの前半を終えていました。
今回はその後半です。具体例を一緒に見ていきましょう。
ここではまず、課題の要因を列挙することからはじめると良いでしょう。その際、外部の人にファシリテーションを依頼すると、第三者からのフィードバックを同時に受けられるので更に良いと思います。
そこで出てきた要因の元(主な原因)を見つけだして改善し、それを仕組化して継続することで持続可能な改善を図ることができることになります。
【参考例】 課題:「アイデアが出てこない」
→社員がアイデアを生み出す能力を開発できていない
→社員がアイデアを一から考える環境が社内に整っていない
→社内に、社員が自由で主体的に判断できる環境がない
→考えることより「社内のルールに合っているか」と無意識に正解を探している
→社内のルールや暗黙のルーティンの60%を会社主導で廃止する
→ルールがないので社員が自主的に考えないと行動できない環境に変わる
→やがて社員それぞれがモノゴトに対し独自の捉え方をするようになる
→これを日々繰り返す過程で、自分で考える習慣が無意識のうちに身につく
→やがてそれが社内の文化として定着する
→「アイデアを出してください」と言われた時、普段から考える癖がついているのでストレスなく独自のアイデアが出てくるようになる
この例では、「アイデアが出てこない」という課題に対して、会社として取り組んだことは「ルールを60%廃止」しただけです。特に予算も掛からないし、何よりすぐに実行に移すことができます。
つまり、この課題を解決するための最初のドミノは「ルールを廃止」することだと突き止めることが大切なのです。
それ以外でも下記の環境を並行して整えるのも有効でしょう。
・正解・不正解で判断しないという文化を育む「違うだろ!」をNGワードとして禁止
・おかしなアイデアを多く出した社員を定期的に表彰する
・年齢役職を問わず「あだ名」で呼び合うことで忖度しない雰囲気を育む
・雑談スペースを休憩場所の近くに設置
きっとはじめは戸惑いがあるでしょう。社内でギクシャクする期間が一定期間続くことでしょう。それは、まさに組織の古い文化が変わろうとしている証なのです。
そういうギクシャクする環境を社内につくりだすことさえできれば、時間と共に社員は自然に変わっていきます。
人は誰しも適応力をもっているため、いつまでもギクシャクしたまま放置することを良しとしません。時間と共に、姿勢や考え方が自然な流れで環境に適応していくことになるのです。
このように「最初のドミノ」が明確になれば、それを倒すだけで多くの課題が一気に解決し出します。
後はリーダーが何度も同じことを言い続ける等の不毛なエネルギーを費やすことなく、課題が自然に解決していくのを日々見つめているだけで良いのです。
だから僕は自信を持って中小企業には伸びシロがいっぱいだと言っているわけです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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