少子化が深刻化していますね。
統計によると、1973年生まれ(現51歳)は203万人なのに対し、2009年生まれ(現15歳)は106万人しかいません。
36年間でほぼ半減しているのです。
だからでしょうか。
どこの会社も新卒社員を獲得するのに躍起になっています。
最も優秀なエース社員を人事に置く会社を見かけるようになりました。
この影響もあるのだと思いますが、新卒社員に対して入社後に手厚い(いかにも手厚すぎる)丁寧な対応をする会社が増えてきました。
「入社後半年間は現場に出しません」
「一年目は丁寧な研修制度を整えています」
「入社後しばらくは数値目標を課しません」
「入社後即、有給休暇を10日間支給」
確かに、「残業がなく休みが多い会社でプライベートを充実させたい!」といういかにも”今どき”の若者のモデルのような求職者を狙っていることがうかがえます。
そんな中、私としては上記のような「新卒社員のVIP待遇」にかなりの違和感を覚えます。
なんとなく若者が可愛そうだなぁと彼らの将来を憂いでしまうのは私だけではないはずです。
実はこのような流れは35年前も同様にありました。
それでも、社会がどんな風潮であろうとも、新卒1年目でいきなり飛び抜けた結果を出す新人さんはいつの時代も確実にいます。
入社後1年経たずして、並み居る優秀な先輩達を追い抜いて営業成績トップに立つような人のことです。
周囲の人達も日々「これ以上はもう無理!」というほど頑張っているのですが、周囲とはケタ違いの成果を叩き出してくる人がいます。
きっとみなさんの近くにも思い当たる人がいるのではないでしょうか。
そんな極一部の飛び抜けた成果を出す人は自分とは一体何が違うのだろうかと考えたことはないですか。
社会の新人時代は生涯で一度きり
そんな、1年目からロケットスタートを切る人は特に個性豊かな人達なのですが、そんな彼らにあっても実は全員に共通する一つの習慣があるのです。
そして、この習慣こそがその道10年のベテラン社員でも身についている人は滅多にいない絶対的な価値があり、不確定な社会を生き抜く最強の武器なのですが。
それは一体なにかというと、何か新しいことや、やったことないこと、今の自分にはできそうにないことに出会った際の向き合い方と取り組む姿勢に関することです。
ここでいう人生を変える最強の武器となる習慣は
「常に行動が先、学ぶのは後」で動くことです。
さらに、彼らにとっての「行動」は普通の行動ではありません。
圧倒的な行動量を意味します。
普通の人からすると変態的な行動量とも言えるレベルで行動することを指します。
「普通はそこまでやらないでしょ」周囲にそう言わせてしまう行動量のことです。
「誰かが止めないとアイツは止め方を知らないらしい」そう言わせてしまう行動量と取り組むスピードのことです。
ピンときた人は多いのではないでしょうか。
知識や実績は関係ありません。考える力や言語化力も二の次です。
圧倒的な行動量とスピードです。
もちろん、何の知識もノウハウも武器も持たずに果敢に行動すると、日々壁に当たります。毎分壁がやってくると言っても過言ではないでしょう。
なので、圧倒的な行動をする人は、それらの壁を一つずつ突き破ったり、乗り超えたりしながら一歩ずつ必死に進んでいるのです。
その回数が圧倒的に多いのです。
そこでの一連の行動をとおして大量のPDCAを無意識に経験し、大量のログデータを脳に送り込み、誰より多くの学びのベースとなるデータを集積し精度を上げているのです。
そして圧倒的なスピードで大量行動をこなした後、何度トライしてもどうしても今の自分では超えられない壁に出会うことになります。
行動しても努力しても超えられない壁にぶつかるのです。ある程度のところで、文字通り頭を打った状態に必ず陥るのです。
そして、そのタイミングこそが、ノウハウや知識を導入する絶好のチャンスなのです。
知識やノウハウを手にするのは後
この段階では、何度も何度も壁に挑んだ後なので、その壁を超えるのに何が足りないのかが具体的にイメージできる状態になっています。
少なくとも、その壁を超えられない理由について、誰も「本人の努力不足」とは言えないほど圧倒的な行動と試行錯誤を経た後だからです。
本人の中でもすでに壁を超えるイメージが明確になってはいるのですが、そのための足りないものもまた明確にある状態です。
眼の前の壁に最もふさわしい武器(先輩達にあって自分には足りない)をイメージでき、それさえ手に入れば確実に壁を超えられるのにというじたんだを踏む状態にいるのです。
このような課題が明確な状態では、知識やノウハウという「武器」を与えられれば、たちまち水を得た魚のように武器が機能し、壁をいとも簡単に乗り越えることができるようになります。
武器の強みを最大限に活かせる状況を本人が既に作り上げているのです。
このタイミングで的確な武器が実装されさえすれば、ちょっとした無双状態になるのです。
新人時代は四の五の言わずに圧倒的な行動を
ここまで述べた「自分の能力では超えられそうにない高い壁を超える」一連の流れを整理すると流れはこんな感じです。
最初の一歩はとにかく早く踏み出す
圧倒的な行動量を全速力でこなす
非効率でも気にせずに自力で小さな壁を何度も超える
行動量だけでは超えられない壁と向き合った際にはじめて的確な「武器」を実装する
既に誰よりハードワークが身についているので、武器により無双状態になる
そして、これを経験するのに人生で最も適しているのが新人時代なのです。
なぜなら、新人時代は何一つとして”できること”がない上、何一つ社会人としての経験値がない段階にいるからです。
それにもかかわらず、社員として明確な目標がある以上は、何としてでやらなければ給料泥棒になりかねない立場にいるからです。
新卒入社直後の重要性を理解していない人達
新入社員にとっては、学歴うんぬんに関わらず、この一連の流れを社会人生活の最初に経験させてあげることが何より大切となります。
この間の仕事への向き合い方と社会人として果たす責任の捉え方が、彼らのその後40年間に影響を与えることになります。
社会は常に進化するので、常にやったことないことやできそうにないことが次々と降ってきます。ほぼ毎日そういう小さな壁と向き合い続けることになります。
そんな機会に出会った際、しっかり準備してある程度できるようになってから取り組もうとする人と、まずはとっととやってみて、とっとと壁にぶち当たろうとする人と大きく2つのタイプに分かれることになるのです。
この両者では、成果が大きく違ってくるのはいうまでもありません。
しかし、最も大きな影響を与えるのは結果ではなくその人のその後の人生そのものに対してです。
多くのベテラン社会人に欠けていること
これは全ての社会人に身につけてほしい習慣なのですが、これが身体に染み付いている人は5%もいないのが実情です。
というのも、5年以上の社会経験のある人は、一定の「自身の職能としてできること」を持ち「成功事例」も何度も経験しています。
そして、これら成功事例と一定のスキルや経験があることでむしろ、上記の一連の習慣をイチから身につけることを妨げているからです。
だからこそ、スキルも経験も少ない新人時代に「できないこと」や「やったことないこと」に必死で取り組む姿勢を体験させ、習慣として身につけることが重要なのです。
何も知らない新人時代に何を身体に染み付かせるか。どんな覚悟を当たり前だと刷り込むか。
それがこの人の人生を決定づけるほど重要なのだと理解している人は実に少ないようです。
将来、50歳のベテラン幹部になってから「幹部社員研修」で身につけようとすると、新人時代の3倍の覚悟と労力と時間が必要となるはずです。
このように「できないこと、やったことないことを四の五の言わずにまずやってみる!」能力は、学歴やMBA、マーケティングの知識とは比較にならないほど貴重な習慣なのです。
社会人としての将来を決定づける貴重な習慣です。
だからこそ、最も重要なことは人生で最も謙虚で素直で吸収力が高い新卒入社後半年間の時期に身体に覚えさせてあげたいのです。
何も武器を持たない時期に「まずやってみる!」ことを身体に覚えさせたいのです。
そこで身体に染み付いた思考習慣が、絶えず変化し続けるその後の40年間の社会人生活を不安のない豊かなものに変えていくことになるのです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございます。
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